冒頭、水の満たされた2本の瓶が示され、そのどちらが琵琶湖の水であるかをあてるクイズが行われた。片方には浮遊物が見られ、それが琵琶湖の水であったが、そうした川、湖や海などの水の中の生物からはがれ落ちた表皮などの細胞に含まれるDNAを環境DNAといい、環境DNAによって生き物について調べるための技術について話すことが本日のテーマであることが示された。
続いて、鴨川水系で行われた複数地点の水を採取・分析することによるオオサンショウウオの在来種、外来種、交雑種の生息分布の調査、DNA量による生物量の推定、その地域に生息する生物の種類の推定などに関連づけながら、環境DNA分析の具体的方法について説明された。加えて、それが抱える課題についても言及された。興味深かったのは「継続的に生態系をモニタリングすることで生態系の変化を予測できるのではないかと思う」と述べられたことであった。
近藤教授は、環境DNA分析を今日一般的である生物調査の方法と比較しながら、「水を調べるだけという簡便かつ非破壊的な方法」でありながら、種判別の正確性が極めて高い方法であると評価されていた。
杉山